裁定取引がイメージできなかったので、分かりやすくしてみました。
裁定取引という言葉を検索すると、証券会社の用語集では以下のように説明されています。
「裁定取引とは、同一の価値を持つ商品の一時的な価格差(歪み)が生じた際に、割高なほうを売り、割安なほうを買い、その後、両者の価格差が縮小した時点でそれぞれの反対売買を行うことで利益を獲得しようとする取引のこと。機関投資家などが、リスクを低くしながら利ざやを稼ぐ際に利用する手法。株価指数等の現物価格と先物価格を利用した取引などが代表的」(SMBC日興証券より)
証券会社の用語集をみるだけではイメージできないので以下のように具体的に説明します。
同一の価値を持つ商品の例として「日経平均株価」で考えます。
例えば、
日経平均株価(以下、「現物」と呼びます)が23,000円で
日経平均株価先物(以下、「先物」と呼びます)が23,200円だとします。
*日経平均株価は東証一部上場銘柄のうち、主要な225銘柄を日本経済新聞社が選定して選出している指標。
この場合、
現物を割安と考えて23,000円で買い(実際は225銘柄の現物を計算に基づいた比率で買う)、
先物を割高と考えて23,200円で空売り。
時間がたって、以下の3パターンで現物と先物が一緒の値段になったときを考えます。
それぞれ反対売買をします。
①現物と先物が23,100円で同じ値段になった場合
現物を23,100円で売る → +100円
先物を23,100円で買い戻す → +100円
+200円の利益
②現物と先物が22,900円で同じ値段になった場合
現物を22,900円で売る → -100円
先物を22,900円で買い戻す → +300円
+200円の利益
③現物と先物が23,300円で同じ値段になった場合
現物を23,300円で売る → +300円
先物を23,300円で買い戻す → -100円
+200円の利益
どのパターンでも利益が確保できています。
このような売買を期間投資家が大きい資金で行い利ざやを稼ぐのでしょう。
裁定取引残高の売りポジションは将来の「買い」が期待され、
買いポジションは将来の「売り」になります。
裁定取引残高は投資のプロ達のポジションを反映していると言えます。
ちなみに、裁定買い残高が3.5兆円程度に膨らむと、日経平均は反転に転じることが多いようなので、
裁定取引残高も日頃からチェックする必要がありそうです。
「裁定取引残高の推移」と検索すると裁定取引残高がまとめられたサイトがあるので
チェックしてみるといいと思います。